育成年代において、骨と筋肉の成長速度が異なることは一大事となります。
そこで必要となってくるのが「ストレッチング(以下ストレッチ)」です。広く知られているストレッチですが、正しい知識を持って行わなければ、身体にとって悪影響が及ぶことをご存知でしょうか。
骨の成長速度と筋肉の成長速度の違いによる影響
冒頭、お伝えした通り「骨の成長」と「筋肉の成長」は異なります。骨の成長が急激に起こる【育成年代】にとって、筋肉の成長が遅れをとってしまいます。
わかりやすく説明をすると、骨が成長する=骨が伸びる。となりますが、筋肉の成長が遅れをとる=筋肉が硬くなる。と想像してください。
筋肉が硬い=可動域が狭くなる。と想像できるのではないでしょうか。これはパフォーマンスの低下だけでなく、怪我の確率が上がってしまうことになります。

筋肉は本来、しなやかな「バネ」の役割をします。
しかし成長期に骨だけが伸びると、そのバネは硬くなり、力をうまく発揮できなくなります。
育成年代に必要なストレッチとは?
以下に育成年代において必要なストレッチの概念を解説していきたいと思います。
- 静的ストレッチ(スタティックストレッチ)
- 動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)
の2種類が世間一般では多く広まっています。実はストレッチには他にも「バリスティックストレッチ」「PNFストレッチ」など多くのバリエーションが存在しているんです。
今回は静的ストレッチ、動的ストレッチをベースとして解説していきます。
静的ストレッチとは?
基本的にはリラックスしたい時、筋肉を柔らかくしたいときに用いられることが多いです。
伸ばしたい筋肉が伸びていることを実感しながら、適切な方向へ身体を動かすことによって効果が得られます。また、伸びていると実感できる姿勢を「保持すること」も静的ストレッチの大きな特徴です。
この時に大事なことは「リラックスすること」「呼吸を止めないこと」「痛みがないこと」です。その上で30秒前後同じ姿勢を保持してみてください。
<お勧めのタイミング>
・起床後(軽めのストレッチにより、血流が促されます。)
・運動前(ウォーミングアップが始まる前)
・運動後のクールダウン(筋肉の緊張を落ち着かせ、怪我の予防に繋がります)
・お風呂上がり(体の温まっている時は効果増大)
・就寝前(気持ちも落ち着かせることで睡眠の質を向上)
<期待できる効果>
・リラックス効果
・筋肉の柔軟性向上、可動域の向上
・疲労回復
・怪我の予防
動的ストレッチとは?
関節を動かしながら筋肉を適切に伸ばしていきます。主にはこれから運動前に用いられることが多いです。
静的ストレッチに比べて、関節を動かすため「徐々に」動かす範囲を広げることが大切となっていきます。急激に可動範囲を広げてしまうと怪我のリスクが上がるため、気をつけてください。
大事なことは「動かすべき関節」に対して「動かすべき方向」へストレッチしていくことです。まずは関節が動くべき方向を知ること。さらに競技特性を踏まえた動作を取り入れていくことによって練習や試合での動きやすさが変化していきます。
また動かすことが特徴なため、血流が促進しかつ筋温が上昇するため、育成年代の運動前には最適となります。
<お勧めのタイミング>
・運動前(軽く静的ストレッチをしてからだと怪我のリスク減少)
・アクティブレスト(試合翌日の疲労回復を目的とする時にも有効)
<期待できる効果>
・可動域の向上
・パフォーマンスの向上
・血流の改善
・筋温の上昇
・気持ちの準備



静的ストレッチは、エンジンを止めたまま整備するイメージ。
動的ストレッチは、エンジンをかけて少しずつアクセルを踏むイメージです。使うタイミングが違うだけで、どちらも大切な役割があります。
まとめ:育成年代のストレッチは「気づかせる」ことから始まる
育成年代では特に関節が柔らかく、ストレッチの必要性を感じ辛い時期です。大人は自身の身体の硬さや経験から必要性を実感していても、子供は実感しづらいものです。しかし実は骨の成長に対して、筋肉の成長が遅れをとる時期というのもこの「育成年代」なのです。そのため、育成年代の子供達をサポートする指導者・保護者が正しい知識を持ち、必要性を伝え、教育していくことが求められます。




