推奨!!運動前に効果を発揮する動的ストレッチ!

日々のトレーニングをしっかりしたのに、肝心な試合で
『いつものパフォーマンスを発揮できない』、『身体が動かない』といったことはありませんか?

要因は様々ありますが、その要因のひとつとして考えられることは
『運動の準備』を怠っていることかもしれません。

目次

『運動の準備』をすることの重要性

試合や練習で最高のパフォーマンスを発揮するためには、技術や体力の向上だけでなく「運動の準備」が欠かせません。
十分な準備をせずに急に体を動かすと、関節や筋肉が本来の機能を発揮できず、ケガのリスクが高まるだけでなく、動きが重く感じたり、反応が鈍くなることもあります

「運動の準備」とは、単にストレッチをすることではなく、
体を“動ける状態”に整えること。

これには、
関節ごとの役割(動くべき関節・安定すべき関節)を理解し、
動的ストレッチを通じて可動域と神経の働きを高めることが重要です。

育成年代の選手ほど、成長過程で筋肉や骨のバランスが変化しやすく、身体の使い方も未発達なため、
この「運動の準備」がパフォーマンスとケガ予防の両面で大きな意味を持ちます。

日々の練習前に、しっかりと
“動くための準備”を行うことが、長期的な成長につながる第一歩なのです。

運動の準備とは?

では運動の準備とは一体なにをしたら良いのか。
今回は運動の準備に必要な知識として、

  • joint by joint(動くべき関節と安定すべき関節)とは
  • 動的ストレッチの効果
  • 現場における指導の実際
  • 運動前にお勧めの動作準備

について解説していきたいと思います。

joint by jointとは?

まず覚えておきたいのは

モビリティ関節(動き)・・・大きな動きに適した関節
スタビリティ関節(安定)・・・安定する役割をもつ関節

が存在しているということ。

図のように、関節の役割が交互に並んでいる構造を
joint by joint といいます。

あまり知られていませんが、
この関節のバランスが崩れると、パフォーマンスの低下やケガのリスクにつながります。

例えば、股関節が硬くなると、本来安定させる役割の膝や腰が、その分多く動かなければならなくなります。

すると、「安定すべき関節」が「動きすぎる関節」となり、本来の機能がうまく発揮できない状態になってしまうのです。

動的ストレッチの効果

試合や練習中、私たちは止まった状態で関節を使うことはほとんどありません。
筋肉は「縮む」「伸びる」を繰り返しながら動いています。

そのため、運動前には“動きながら行うストレッチ(動的ストレッチ)”が適しています。

<動的ストレッチの効果>

■ 可動域の向上
 動きの中で関節を使うことで、実際のプレーに近い形で可動域を広げることができます。

■ パフォーマンスの向上
 血流が促進され、関節や筋肉がスムーズに動きやすくなります。

現場における指導の実際

「低い姿勢になれ!膝を曲げろ!

このような指導を耳にすることはありませんか?

指導者としては、股関節や足関節を使わせたい意図で「膝を曲げろ」と伝えているのかもしれません。
しかし育成年代(小・中学生)の選手は、その言葉を文字どおり「膝を曲げること」として受け取ってしまいます。

さらに現在の学校部活動では活動時間が短縮され、ストレッチの時間を十分に確保できないことも少なくありません。
地域クラブも、自前の体育館を持たない場合が多く、限られた時間の中で練習を行うため、ストレッチの時間が削られがちです。
その結果、ストレッチは選手各自に任されている、というのが育成年代の問題になっていると感じています。

では考えてみましょう。

膝を使え!
→ 本来安定させる役割のスタビリティ関節を、大きく動かそうとしている状態です。

ストレッチは各自で
→ 十分に行われない場合、モビリティ関節が硬くなってしまいます。

結果的に、本来の指導の意図とは違う動きになってしまうのです。

こうした状況が重なると、
モビリティ関節(動き)とスタビリティ関節(安定)役割が入れ替わってしまう可能性があります。

こうしたズレを防ぐために必要なのが、「運動前の動作準備」です。

運動前に必要な動作準備

【スタビリティ関節の安定化】
【モビリティ関節の活性化

“動くべき関節を動かし、安定させるべき関節を安定させる”。
このシンプルな原則を意識することが、運動前の準備では大切です。

【スタビリティ関節の安定化】

  • ドローイン
  • フロントプランク
  • サイドプランク
  • パワーポジションHold

【モビリティ関節の活性化】

  1. しゃがみアンクルモビリティ(足関節)
  2. プランクアンクルモビリティ(足関節)
  3. スパイダーウォーク(股関節)
  4. インナーサイグローインストレッチ(股関節)
  5. ポステリアーカプセルストレッチ(股関節)
  6. ヒップインターナルローテーション(股関節)
  7. ヒップエクスターナルローテーション(股関節)
  8. ウォールスクワット(股関節・脊柱)
  9. ソラシックローテーション(胸郭)
  10. オープンチェスト(胸郭)
  11. エルボーダウン・ハイリーチ(胸郭)

まとめ

前述したように、「joint by joint」の考え方を大人(指導者や保護者)が理解し、選手に伝えていくことは、育成年代においてとても重要です。

大切なのは、
“動くべき関節はしっかり動かし、安定させるべき関節は安定させる”
というシンプルな原則です。

動的ストレッチは可動域を高め、体を動きやすくするうえで欠かせません。
しかし、「動きやすい」だけでは十分とはいえません。

支える役割をもつスタビリティ関節がきちんと働く状態をつくること。
そして、動く役割をもつモビリティ関節を適切に動かすこと。

この両方がそろって、はじめてパフォーマンスを発揮できる準備が整います。

ポイントは次の3つです。

・スタビリティ関節を安定させること
・モビリティ関節をしっかり動かすこと
・競技に合わせてメニューを考えること

「なんとなく動く」のではなく、“何のための準備なのか”を意識すること。

それが、育成年代の体を守り、成長を支える第一歩になります。
ぜひ目的を意識しながら取り組んでみてください。

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この記事を書いた人

南俊行のアバター 南俊行 株式会社pilina代表取締役 スポーツトレーナー

株式会社pilina代表取締役 スポーツトレーナー

【指導歴】
江戸川大学男子バスケットボール部 トレーナー
八千代松陰高等学校男子バスケットボール部 トレーナー
八千代松陰高等学校女子バスケットボール部 トレーナー
千葉県バスケットボール協会医科学委員
八千代市バスケットボール協会 理事長
東京スポーツレクリエーション専門学校 専任講師 など

【資格情報】
JSPO-AT(日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー)
NSCA-CSCS(全米ストレングス協会コンディショニング&ストレングス コーチスペシャリスト)
普通救命救急

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